矯正治療を受けるにあたって

矯正治療の目的は、子どもや大人の悪い歯ならびや咬み合わせを治すことです。しかしその効果は、単に見かけが良くなり食べ物がよく咬めるようになるばかりではありません。悪い歯並びでは歯磨きがうまく出来ず、食べかすが歯の間に残るためにむし歯や歯周病になりやすく、そのために早く歯を失うことになります。また、悪い咬み合わせでは正しい顎の運動ができないために顎の関節に障害を起こしたり、正しい発音ができず日常の会話で恥ずかしい思いをしたりします。さらに、悪い咬み合わせや歯ならびは、顔や顎の骨の良好な発達や調和のとれた顔を作り出すうえで好ましくなく、そのうえ見た目も良くないために、職業によっては敬遠されたり、結婚や就職の障害になったりします。矯正治療はこのような問題を改善してくれます。さらに、悪い咬み合わせを治すことによって、楽しく語り笑ったりすることができるようになり、患者さんの性格がより積極的で明るい性格に変わることなどが、いろいろな研究から明らかになっています。

このように、咬み合わせの良否は私たちの健康や社会生活に大きな関わりをもっています。しかし残念ながら日本人は他の先進国に比べてそれに対する意識が必ずしも高くありません。また治療結果についても、単に前歯だけが綺麗になればよいと思っている人も少なくありません。本来の矯正治療は前歯だけを綺麗にするのではなく、すべての歯が正しくきちんと咬めるようにすることです。そのようにしなければ、歯のためによくないばかりか、せっかく治してもまた元に戻ってしまったり、ときにはそのために顎の運動に障害をきたすことがあります。しかし歯並び全体を正しくきちんと治すことは、実は簡単で易しい仕事ではありません。歯にダメージを与えず、きちんとした矯正治療ができるようになるために、歯科医師は大学を卒業したあとさらに5~6年間大学で専門教育を受け、実地の修練をし、そして学会から認定される専門医になって治療に携わります。きちんとした矯正治療はどの歯科医でもできるものではありません。また取り外しのできる簡単な装置できちんとした歯ならびを作ることは、多くの場合大変困難で、結局患者さんに責任ある治療を行うことが難しくなります。

健康とは多くの条件のうえに成り立ち、自分で獲得していくものです。咬み合わせの良否はその重要な条件の一つです。矯正治療は子どもだけでなく大人になっても出来ます。幸い最近では、大人であっても歯に矯正装置を付けても変な目で見られることがなくなってきました。矯正治療は少し長い期間がかかりますが、それに見合うだけの成果が得られます。そのために、子どもでも大人でも矯正専門医によるきちんとした治療を受けることをお薦めします。

                仙台矯正歯科クリニック顧問・東北大学名誉教授
                前・東北大学歯学部歯科矯正学講座教授 三谷英夫
                医院Webサイト:http://www.sendai-oc.jp
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